訃報です
学校法人なぎの学園
創立40周年記念の周年事業として
地域還元を考え講演会をしました
その時の講師である小野田寛郎先生がお亡くなりになりました
91歳という長寿を全うされました
心よりご冥福をお祈り申し上げます
普段は私事を書かないことにしているのですが
すこしだけ 書きます
小野田寛郎先生を園にお呼びしたのは2011年のこと
講演会後
よく「どうやって知り合ったの」と聞かれました
知り合いであったわけではなく
私(園長)が何か講演会など催すことがあれば
是非お願いしたいとずっと思っていただけです
お電話をして講演をしていただきたい理由を述べて
東京までお願いをしに行きました
私が20歳代のころ
法曹界を目指し司法試験に合格すべく猛勉強していました
もちろん 難関であることを知った上で
それでも自信があって挑みました
しかし
6年間という貴重な時間と労力を費やしても
結果を出せませんでした
不安などでさえ過ぎて眠れず
二日間徹夜することもありました
一日十時間以上勉強するのは当たり前
相当な努力をしましたが
それでも結果が出ない
悩み多く 挫折を味わいました
そんな中
気づきもたくさんありました
それは
それまでの自分は
井の中の蛙で何にも知らない人間であるということでした
また
教育方法が間違っていたのではないかということも気づきました
そこで
今まで避けていたことや嫌いだったことに
もっと積極的にかかわるということを自分に課しました
そして
であったのが
小野田先生のお書きになった本でした
司法試験をあきらめ教育に興味を持ち
学習塾に勤めました
司法試験で出遅れた分を取り戻すべく
猛烈に働きました
ちょうど
ゆとり世代と言われ始めた頃でしょうか
不景気が続き
自殺者が三万人を超え
ひきこもりがいる
塾生や保護者の方には
歴史をみれば必ず反動がきます
右が終われば左が来るように
ゆとりの後は必ず厳しい教育が戻ってくる
ということはゆとり世代の下の代は
鍛われている世代かもしれない
社会に出たときに
あの人たちはゆとり世代だからできないんじゃないと言われたときに
文科省のせいにできるのか
答えは否です
教育の責任は家庭や本人が負うのです
人間も動物である以上
サバイバルしなくてはいけない
そこで
小野田先生だったのです
ただ
サバイバルしたということでお呼びしたかったのではなく
講演のタイトルが
「人は一人では生きられない」
だったからなのです
詳しくは著書などを見ていただきたいのですが
小野田自然塾というキャンプを通して子どもたちに協力することの大切さを
教えておられました
我々は必ず集団に属します
家族 学校 会社 広くは地域 国
そのことを前提に個を磨く
はみ出す個性だけを身につけても意味がない
長くなりました
最後に
小野田先生が
講演で次のようなお話をされていました
「社会に何かしてもらおうと思って生きるのではなく
自分が社会に何ができるのか」
同感です
自分の利益を基準に考えるのを超えて
属する団体の利益を考える
社会に何ができるのかを考える
そんな人材を目指したい
そして輩出できればと思います
こころより
ご冥福をお祈り申し上げます